こうして出来たのが"CiirrCUS"です/ゴールデンサークル「なぜ」で人は動く
今から十数年前の話。
後輩の家でエウレカセブンのDVDを観たとき、僕は衝撃を受けました。
高速で飛び回る戦闘機とミサイル、ダイナミックな立ち回りのカメラワーク…
作中での疾走感ある空中戦の映像に、心が踊りました。
調べるとそれは板野サーカスと呼ばれる板野一郎氏が確立した映像表現技法であり、
数々のアニメーション作品に影響を与えたようです。
僕は板野サーカスを
「観るだけに留まらず、操作できるようにしたい。
映像との一体感を生み出し、より一層や没入や高揚が得られるようにしたい。」
衝動に駆られました。
インタラクティブな板野サーカスを作りたいと思い、幾らか試みたものの、
疾走感ある表現と直観的な操作の両立には難航しました。
世間で既に、戦闘機同士がミサイルを撃ち合うゲームはありますが、
ゲームとして成立させる上では、カメラワークは固定的になりがちで、
各種挙動にも幾らか制約を設けざる得ない為、その実現は難しい印象があります。
僕は、避けることに要素を絞り込んで、操作をシンプルにしつつ、
各種挙動やカメラワークを試行錯誤して、その両立に挑みました。
こうして出来たのが
CiirrCUSです。こちらから体験できます。
上記の自作インタラクティブアートの紹介についてですが、
実は最近教えて頂いたゴールデンサークルを意識してみました。
ザックリ書くと…
一般的に説明する際は、
「What(何を)」→「How(どうやって)」→「Why(なぜ)」
の順で説明することが多いけど、
「Why(なぜ)」→「How(どうやって)」→「What(何を)」
の順で説明すると、上手く行く。
人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされる。
…といった感じです。「確かにそうかも!」と感銘を受けました。
ちなみに「人に説明紹介するとき」に限らず、
「自分に言い聞かせる」上でも効きますね。